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脳血管障害と労働時間の関係性について

公開日: : 脳内出血体験談

一応、安倍晋三内閣総理大臣の肝いりで施工された「働き方改革法案」。

この働き方改革法案の意味することは、次の通りです。

「長時間労働の常態化やそれに起因する過労死を防ぐ」ことです(他にもいろいろあります)。

何故私が働き方改革法案に着目したかというと、ある事柄と密接な関係があるからです。

それは「脳血管障害と労働時間の関係性」です。

実はある2つの学会の研究発表によると、「労働時間が週に55時間以上の人は、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが高い」という統計が発表されているのです。

※長時間労働→ストレス過多→生活習慣病の悪影響→脳血管障害

実はこの研究発表は、英国のユニバーシティーカレッジロンドンのミカ・キビマキ教授(疫学・公衆衛生)らによって発表されたものです。

これは52万8,908人の対象者を約7.2年間追跡調査した結果です。

「週55時間以上働く人は、通常勤務の人に比べて脳卒中のリスクが33%上昇」すると示されたのです。

つまり勤務時間(労働時間)が長くなればなるほど、脳血管障害の発症率が高まると…。

さらにもう少し詳細にデータを示してみます。

通常勤務をする人を基準にした場合、「週41~48時間のオーバーワーク→脳血管障害が10%上昇/週49~54時間のオーバーワークで脳血管障害が27%の上昇」という発症率を表しているのです。

もちろんそうしたオーバーワークの他に、「喫煙・アルコール摂取・高血圧・高コレステロール・運動不足」などを考慮しれば、さらに発症率が高まることは周知の事実と…。

それともう1つの研究結果として、「欧州・米国・オーストラリア」の研究結果を解析したものもあります。

60万3,838人を平均8.5年間追跡調査した結果、冠動脈疾患の発症のリスクが「週55時間以上働く人→週35~40時間の通常の勤務時間の人々に比べて13%高い」ことが明らかになりました。

このような研究結果が出ているとしても、「労働時間の超過と脳血管障害の発症リスクを上昇させるメカニズム」には、以前として不明な点が多いのも事実です。。

しかし長時間の労働によるストレスと、それによって引き起こされる喫煙・飲酒などの不健康な習慣、さらにデスクワークからくる運動不足が、リスクを高めているのは疑うべきもありません。

そして日本の産業医や保健指導者は、次のように進言しています。

「長い時間働くことが、脳卒中や心筋梗塞などの冠状動脈疾患の発症リスクを高めることを知っておくべきだ」と…。

私はある意味、労働時間の超過と喫煙やアルコール等々によって脳内出血を発症したのかもしれません。

もし「働き方改革法案」が、30年前に施工されていたら…それでも脳内出血を発症したかもしれません(運命として)。

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