冬場の脳血管障害~ヒートショック~
公開日:
:
最終更新日:2018/11/24
脳内出血体験談
今年の冬は暖冬と予想されていますが、それでも確実に寒い冬はやってきます。
そして冬場になると、楽しみの1つにお風呂があります。
特に寒い時に湯船に浸かると、身も心も温まりホッコリします。
しかし身体がホッコリする一方、入浴中に突然死を発症する方が増えていることを忘れてはいけません。
事実、毎年1万人以上の方が突然死によって亡くなられているのです。
そんな突然死の原因の多くに挙げられるのが、脳血管障害(脳梗塞や脳内出血)です。
ではどうして私たちはお風呂に入浴時に、突然死(脳血管障害)を発症してしまう危険性があるのでしょうか。
実は、明確な理由があるのです。
みなさんはお風呂場の周りに、電気ストーブなどの温暖設備を整えていますか。
私もそうでしたがお風呂場に電気ストーブなどを置いていなかったため、いつも脱衣所でブルブル震えながら着替えていました。
この寒さの寒暖差が、脳血管障害を引き起こしているのです。
私たちの身体は急に寒さを感じると、無条件に血管が収縮して血圧が上昇してしまいます。
お風呂場はその典型的な場所になるのです。
「暖かい場所から急に冷たい場所にいくと血圧が急上昇する」(逆もしかり)
つまり血管の弛緩によって、血圧が急上昇したり急降下することによって脳血管障害を招いてしまうのです。
そして急激な血圧の変動による症状(脳血管障害)を「ヒートショック」といいます。
※ヒートショックは脳血管障害だけでなく、心筋梗塞を引き起こす原因になります。
ではどうしたら、私たちはヒートショックを防ぐことができるのでしょうか。
○お風呂の温度は40℃以下に設定し、浴槽に浸かるのは5~7分にする(入浴時間は20分以内)。
・入浴時間は短めにして、肩まで長時間浸からない(浸かるなら腰まで)。
○入浴前後に、必ずコップ一杯以上の水分補給を摂取する。
・入浴中は発汗作用と利尿作用があるため、脱水傾向になる危険性がある。
○寒い日には、できるだけ露天風呂に入らない。
○上の血圧が180以上、下の血圧が110以上ある場合は入浴を控える。
○入浴後はすぐバスタオルで水分を拭き取り、保温のためすぐに着替える。
○早朝や深夜の入浴は避け、体調が悪かったり疲れていると感じれば入浴を控える。
上記に明記したことを予防すれば、私たちはヒートショックを防ぐことができるのです。
ちなみに電気ストーブは3,000~5,000円程度で家電量販店で販売しています。
転ばぬ先の杖ではありませんが、電気ストーブがあるだけでヒートショックを防ぐことができると思います。
関連記事
-
-
脳内出血と手術について
おぼろげですが脳内出血で倒れた後、病院に搬送され集中治療室(ICU)に運ばれました。 その時、
-
-
2ヵ月の入院の後の母親の変化
私が小脳梗塞で約2カ月間の入院を余儀なくされました。 その間、母親はどうしていたのかというと、
-
-
脳梗塞と勘違いされる「白質病変」
去年の暮、私は小脳梗塞で約2カ月間入院しました。 しかし私の場合、小脳梗塞が本当に小さかったこ
-
-
母がグループホームに入所しました。
ケアマネージャーや家族や親族の助言によって、母をグループホームに入所させることになりました。
-
-
脳血管障害の原因~それに伴う患者と看護師~
ここでは、改めて脳血管障害(脳梗塞)が発症した原因について考えてみたいと思います。 脳梗塞は大
-
-
病院は病気を治療する所ですが検査ばかりしなくてよかったです
最初の市民病院の脳神経内科、脳神経外科の入院はナースさんがおおよその事を見てくれました。大部屋でほか
-
-
仕事に戻って再出血の危険性とともに生活をすると
退院後、仕事に復帰しました。働かなくてはなりませんが少し身体の調子が変わっていました。目がまぶしすぎ
-
-
高齢者の誤嚥性肺炎について
先日(朝の10時頃)、入居している施設から電話がありました。 「急に食欲がなくなったみたいで、
-
-
アルツハイマー病へ希望の光!!!
認知症の患者が家族の中にいる方にとって朗報な話があります。 アメリカの製薬会社「バイオジェン」
-
-
何故怖い!脳血管障害
脳血管障害を発症した私は、その怖さを十二分理解しています。 ではみなさんは、本当に脳血管障害の
- PREV
- 脳血管障害者を支える家族の心構え
- NEXT
- 長時間の昼寝は危険な兆候