何とかぎりぎりの崖っぷちを歩く感覚で一家四人で生活していました
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脳内出血体験談
病気の事もあり、自分の身体を優先し生活することにしました。と言うのは誰かに文句を言われていると思いこんで食って掛かったり喧嘩になると言った事も考えられるので外へ出かけて幻聴を聞いているとややこしい事になるので仕事はほどほどにして置きました。
そして家でゆっくりする事にしたのです。今だから言えますがあの頃は我が家の台所が会話の場所でした。私が本当におかしくなったと、周りも感じていました。
お前は日本を助けなければならないとか、第3次世界大戦を止めなければならないなどと謎の声が聞こえてきたのです。
政治、経済などの意見を求められたり場合によっては軍事、外交などの意見交換も我が家の台所での話となり、完全におかしな行動を始めました。夜は皆が寝静まると声に出して会話をしていたのです。
ある時は冷蔵庫の前に3時間、直立不動して話をしていました。深夜に起きるとまた謎の声と会話をしていました。
脳内出血から起因する妄想であると判断されました。私は世界を相手にしているつもりだったのです。妄想?実際に私には聞こえているのにと思いました。又、目をハッキングつまり視覚を盗られているのが一番不思議でした。
私の見ているモノを聞くとそれがなんであるか謎の声は解るのです。例えばノートパソコンを見ていて、今私が何を見ているか謎の声に聴くとノートパソコンを見ているとちゃんと答えるのです。おかしい、何か心霊のようなものがついているのかとも思いました。
しかし私は無神論者で尚且つ霊を信用していないのです。ところが声が聞こえてくるのですから本当に背後霊や守護霊がいるのかもしれないと思う時があったのです。
そして声を消すために機械の万能油をスプーン一杯分を舐めて飲み込め、と言われたと思いそんな奇行にまで及びました。正体を確かめたい気分でした。電車に乗っても声の言う通りの駅で下車してしまいます。
先生には声を気にしないように言われていましたが、それなりに落ち着いて冷静なはずなのにどうしても声と会話してしまうのです。これでは仕事は出来ません。落ち着いて冷静にならないと数字が扱えません。
何とかしなければと思っていたのですが、声に洗脳されかけている自分がいたのです。そのような感覚で日常生活を健常者のように過ごしていたのです。
幻聴により身体の調子が悪くなってしまい、せっかく正社員で仕事をしていたのに結果として体調不良で会社を辞める事になりました。これは我が家にとって大打撃でした。
実際には貯金も崩して教育費もお金がかかりますので、何とか収入を得ようと病気であっても生活のためダブルワークをするようになったのです。
語りかけて来る謎の声はいったい何だろうと思いました。私が話しかけてくる声に返答すると、声もそれなりに違った形で喋ってきます。謎の声だけで疲れてしまって困りました。
そして生活費が必要です。医者にこの先どうしたらよいか聞いてみると、生活保護でしょうと言っていたのですが、私の場合は蓄えがありましたので何とかしのいで行けたのです。
子育てでお金がかかります。妻もパートに出るようになりました。私の方は簡単な仕事をしながら謎の声を聴いて、お辞儀をしたり敬礼をしたり声の言う通りに動く事も多かったのです。そして時には行方が不明になったりして暮らしていました。
そうこうする間にもう一度入院しないと駄目だと妻が判断して、以前入院していた病院に行きました。ところがベットが一杯で、おまけにウチで治るのならどこでも大丈夫ですよと言われ断られました。
妻が電車とバスで直ぐ行ける市内の精神病院を探し出し、わめいたり、座り込んでいる私をそこから連れて行こうとしました。
なかなか思ったように私が動かないので妻が困りはてていると、定年後ランニングを趣味でされている知らない男性が、見るに見かねて声を掛けてくれたそうです。妻と私とその方と長い距離を3人で歩いて行きました。
私も自分でおかしいとは思いましたが、タクシーを使わずに行く約束が謎の声と出来ていたのでタクシーは乗らなかったのです。渋ったり違う方向に行きかけたりしながらも、やっと病院に着きました。
親切な方の助けがなければ無事に着けていたかどうかわからず、妻は本当に助けて頂いたと感謝していました。精神病院への入院は、1.身内の申請、2.病院の判断、3.警察の扱い、があるようです。家族と病院ともに入院した方が良いとなったのです。
謎の声と戦っていたけれど、病院に入院出来たので家族も少し楽になったでしょう。しかし毎月仕事をしないと給料が入って来ない。
蓄えばかりが出ていくので私が加入している大型の生命保険を使う事にしました。妻が保険の外交員さんと話をして入院保険金を貰う予定になりました。これで私も家族もお金の面では安心です。
やっとたどり着いた病院に一般病室ではなく隔離の病室があります。そこへ入れられました。そしてその病室で出てきた食事を食べなかったのです。
夕食と朝食を食べなかったのでベッドに拘束されてしまいベッドに両手、両足貼り付けられて栄養剤を口から入れられたのです。恐らく3日ほど貼り付けられていてやっと落ち着いてきました。そして食事をとるようになったのです。
病院に入ると謎の声は一旦消えて安らぐことが出来るようになってきました。一般病室に入り生活して薬を合わせて行きます。だんだん改善していきました。合計4か月入院していましたが、出てきた傷病名は脳内出血後遺症でした。
この病名が私ではよくわかりませんが、症状としては天下の公道をブツブツ喋っていたりわめいていたりしたのです。まさかと思いますが自分ではそうとわからず、自分の妄想と戦っていたのです。
薬が処方され毎日飲み続けました。眠すぎたり、身体が動きにくくなったりの副作用があるので、血液検査をし量を調整しました。やはり薬を合わせるのは入院するのが良いと考えられます。
しかし何とかしなければと思う私の焦りとは裏腹に、東日本大震災の頃までなかなか自分を自分で制御出来なかったのです。しかしこの時期以降、謎の声に前向きな表現が多くなってきました。声を気にせず、無視して行動することが出来るようになりました。
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