脳梗塞後遺症と再生医療について
公開日:
:
脳内出血体験談
私は脳内出血を発症したことによって、右片麻痺を発症しました。
そして約20年間、右片麻痺の後遺症と付き合っています。
しかし現在、こうした脳血管障害による後遺症に対して新しい研究が進められています。
それが「再生医療」です。
再生医療とは障害を受けた組織や臓器・生体機能を再生させることによって、元の機能を回復させる治療法をいいます。
私が脳内出血を発症したころはまだ再生医療という概念もなく、後遺症が残った身体と上手に付き合いながら暮らしていくことが、ベストな選択として考えられていました。
しかし「幹細胞・ES細胞・iPS細胞」といった再生医療が登場したことによって、脳血管後遺症に対する取り組みが急速に発展を遂げているのです。
そして上記に明記した治療技術は、今まで実現することが不可能であった脳血管障害の後遺症を回復させる最善の手段として期待されているのです。
さらにこうした再生医療の中で、もっとも期待されているのが「患者様自身の骨髄間質細胞を活用する」手法です。
というのも骨髄間質細胞は「ES細胞・iPS細胞」に比べ、生命倫理的な問題や免疫反応・腫瘍形成などの問題がなく、臨床応用への有用性が高いと考えられているからです。
このように脳血管障害の後遺症に利用されている再生医療ですが、実は再生医療と勘違いされている治療法があるのをご存知でしょうか。
それを「細胞治療」といいます。
まずハッキリしなければいけないことは、「再生医療は細胞治療とイコールではない」と言うことです。
例えば細胞治療は、患者様自身の身体の細胞(ES細胞・iPS細胞・幹細胞)を使って行われる治療法を指します。
実は細胞治療と再生医療は同義語ではなく、この区別は医療従事者の中でもまだ正確に理解されていない部分でもあるのです。
ではここで、脳梗塞に対する現在の細胞療法の種類について明記しておきます。
○ES細胞
○iPS細胞
○自家細胞(患者様自身の細胞を利用します)
○他家細胞(患者様以外のヒトの細胞を利用します)
これまで、脳血管障害の後遺症の治療は確立されていませんでした。
それ故脳血管障害を発症した場合、後遺症が残ったとしても致し方なしと捉えられていました。
そして今、脳血管障害の後遺症の治療法で、残された治療法こそが「細胞治療」なのです。
「細胞治療は現状で最も見込みのある、残された治療開発領域なのです。」
私たちはこの治療領域がさらに成長を遂げ、脳血管障害の後遺症の新しい治療アプローチとして、臨床に応用さることを期待しています。
関連記事
-
高齢者の誤嚥性肺炎について
先日(朝の10時頃)、入居している施設から電話がありました。 「急に食欲がなくなったみたいで、
-
昨年、発症がわかった脳動脈瘤について
2021年の暮れ、母親の認知症(夜の徘徊)とそれにまつわるストレスが重なり脳梗塞を発症しました。
-
心原性脳梗塞について
脳血管障害(脳梗塞や脳内出血)は、脳の血管に障害が起こった時だけに発症する病気だと思っていませんか?
-
何とかぎりぎりの崖っぷちを歩く感覚で一家四人で生活していました
病気の事もあり、自分の身体を優先し生活することにしました。と言うのは誰かに文句を言われていると思いこ
-
脳血管障害者を支える家族の心構え
脳血管障害を発症した患者の介護は、想像以上に大変です。 何故なら「患者にどんな後遺症があるのか
-
本当に怖い夏バテ(だった)!!!(回顧録)
毎年のように猛暑による夏バテに悩まされている私…。 しかし今年は違いました…なんと6/末~7/
-
脳血管障害と緑茶&コーヒーについて
脳内出血を発症した私は、普段からブラックコーヒーを1日3~4杯飲むようにしています。 そして今
-
病院は病気を治療する所ですが検査ばかりしなくてよかったです
最初の市民病院の脳神経内科、脳神経外科の入院はナースさんがおおよその事を見てくれました。大部屋でほか
-
スナックで意識不明に!!!
5月2日、友だちと広島旅行へ行く前夜にスナックで飲んでいました。 私は基本的に下戸、もちろん友
- PREV
- 改めて理学療法士を考える
- NEXT
- 脳内出血の患者は動かしてはいけないという嘘
Comment
私は脳幹出血に倒れて14年4ヶ月になります。以後、左半身麻痺と歩行困難に苦しんでおります。年齢は60です。いま幹細胞再生医療を受けようかと思っています。14年以上も経った私にも効果はございますか、お聞きしたいのはこの一点だけです。どうかよろしくお願いいたします。