日常生活やリハビリ運動を阻害する「クローヌス」
公開日:
:
脳内出血体験談
脳内出血で倒れて、しばらくしてから本格的にリハビリ専門病院でリハビリテーションをしました。
その頃から時折、右足首に非常に気になる動きが…なぜか無条件反射のように、右足首がら下がガクガク震えるんです(まるで貧乏ゆすりのような症状)。
リハビリ専門病院で私の担当をしてくれた理学療法士にそのことを話すと、「その動きはクローヌスですね」と言われました。
〇クローヌスとは?
「クローヌスとは、自分の意思とは関係なく起こってしまう筋肉の痙縮(けいしゅく)です。」
クローヌスは上位ニューロン障害のことで、脳内出血や脳梗塞・脊髄損傷などに引き起こされる中枢神経疾患に発症する症状をいいます。
もう少し簡単に説明します。
筋肉が引き延ばされる刺激によって右足首の運動の抑制が効かなくなり、脳からの刺激に対して過度な反応をしてしまうのです。
例えば関節(右足首)が、ほんのわずかな刺激によって何度も動いてしまうのです(自分自身でコントロールすることができない状態)。
想像してみてください…。
動かすつもりもないのに、何かしらのはずみで右足首がガクガク震え出すんです。
※当時はこの動きが嫌で嫌で、足首を切り落としたい感情に追い込まれました。
しかも始めは、どうしたら止めることができるのかすらわかりませんでした。
それから理学療法士によって、クローヌスの止め方を教えてもらいました。
「大腿部と下腿部をしっかり押さえて、しばらく圧迫させる」と…そうしたら自然と右足首のブルブルは消失しました。
※ちなみに私は右半身麻痺なので右足首にクローヌスが発症するわけですが、それが左半身麻痺の患者さんだったら左足首にクローヌスの症状が現れます。
※もちろん脳血管障害を発症した患者さんでも、クローヌスにならない場合もあります。
それと理学療法士からは、次のようなことも言われました。
「クローヌス自体は有害なものではないので、安心してリハビリに取り組むことができます」と。
このようにクローヌスの症状について触れてみたんですが、どうしてクローヌスという症状が出てくるのでしょうか?
実はクローヌスのはっきりした原因は、以前として解明されていません(クローヌスを発症する仕組みはわかっているのですが)。
私が脳内出血を発症して25年が経とうとしています。
最初はクローヌスの動きも激しさがありました。
じゃぁ現状はどうなの?というと、今でもたまに弱いクローヌスを発症します。
その時は慣れたもんで、右足を圧迫してクローヌスの動きを止めます。
脳内出血で一番の恐怖は、麻痺や言語障害を発症することです。
それから考えると、クローヌスはたいした症状ではないかもしれません。
だけどクローヌスを発症した当時は、気持ち悪くて仕方なかった私がいたのも事実です。
それにしても時が経つのは本当に速いですね…まさか25年も生きているとは思いもしませんでした。
関連記事
-
-
脳血管障害者を支える家族の心構え
脳血管障害を発症した患者の介護は、想像以上に大変です。 何故なら「患者にどんな後遺症があるのか
-
-
脳内出血と手術について
おぼろげですが脳内出血で倒れた後、病院に搬送され集中治療室(ICU)に運ばれました。 その時、
-
-
脳内出血後に自身の身体で変化した事は何か
私が脳内出血を起こして、医者は麻痺が残ったり動けなくなるかもしれないとして経過を見ていました。脳梗塞
-
-
脳血管性認知症について
「脳梗塞・脳内出血・クモ膜下出血」など、脳の血管が詰まったり出血が生じる疾患を脳血管障害といいます。
-
-
脳梗塞によって発症する言語障害について
ここからは、脳梗塞に関係する様々なことについて触れていこうと思います。 脳梗塞(脳血管障害)を
-
-
若々しい脳を保つためにやるべきこと!
当然のことですが年齢を重ねていけば、脳も衰えてきます。 しかし脳をイキイキとさせる方法があるの
-
-
身体と心のリハビリが脳について必要になってきます
脳内出血は外見上、障害が残ったという感じはありませんでした。目と右足に障害が残りました。それに身体の
-
-
何故怖い!脳血管障害
脳血管障害を発症した私は、その怖さを十二分理解しています。 ではみなさんは、本当に脳血管障害の
-
-
脳血管障害と認知症について(アルツハイマー型認知症)
脳血管障害は、脳の血管が詰まり出血が発症する病気をいいます。 そして脳血管障害を発症すると、脳
- PREV
- 心原性脳梗塞について
- NEXT
- MRIの結果が出ました!