脳血管障害と異常行動について
公開日:
:
最終更新日:2018/03/26
脳内出血体験談
脳血管障害(脳内出血・脳梗塞)を発症してしまうと、人によって個人差はありますが、数日から数週間ICU(集中治療室)で病状経過を診ることになります。
病状経過を診るとは、「血圧を抑えることができているか/脳内に溜まった血液を抜くことができているか」を意味します。
そしてある程度脳の状態が安定すれば、ようやく一般病棟に移されることになります。
しかし一般病棟に移されたからといって、病状が安定しているわけではありません。
それから数週間は、異常行動との戦いになります。
異常行動とは、まったく自覚なしに本人がいろいろな言動をしてしまうことをいいます。
〇看護師に向かって「お前、本当にぶっさいくやなぁ。死んでしまえ」といった言葉を発する。
〇とにかく気付いたら手足をバタバタさせてしまう。
実は脳血管障害を発症したは、必ずこうした異常行動がでるというのです。
では何故、こうした異常行動が出てしまうのでしょうか。
確かに病状が安定してICUから一般病棟へ移されたかもしれませんが、実は脳の機能は完全に正常に戻っていないのです。
つまり一般病棟に移されて1~2週間は脳圧が高くなっている状態なので、今までの自分ではない言動が頻繁に起こってしまうのです。
だから、看護師だけでなく医師や家族にもわけのわからない暴言を吐いてしまうのです。
また異常行動の1つに、夜無意識にベッドから起き上がり歩き出そうとすることがあります。
私自身、一般病棟に移された夜から、就寝時間はベッドで手足を拘束されていました。
そして真夜中になると健常者と同じように歩くことができると勘違いしてしまい、ベッドから立ち上がり歩こうとするのです。
もちろん右片麻痺になっているため、歩くことはできません。
手足を拘束されたままベッドの下に落ちて、もがき続けているのです。
ちなみに拘束されている部分は、両手足と腹部です。
医師や看護師は、脳血管障害発症直後の患者の行動を熟知しているから問題ありません。
正常に戻った時、笑い話のように話してくれます。
しかし身内や親族はこうした患者の言動を見て、どうしたらいいのかわからず、うろたえてしまうことも多いといいます。
もしみなさんの大切な人が脳血管障害を発症した場合、ほとんどの患者が私のような異常行動を起こしてしまうことを頭に留めておいて頂きたく思います。
1~2週間すれば脳圧も正常になり、必ず以前の普通の人に戻ります。
ちなみに何週間も異常行動が続いた場合、脳内に別の病状が潜伏している危険性があります。
関連記事
-
-
認知症予防のための脳トレ
厚生労働省によると、7人に1人の割合で認知症を発症している統計が出ています。 さらに高齢者社会
-
-
脳の健康チェック~脳ドック~
最近、健康関連の番組が人気があるようですね。 私もたまに見るんですが、そこで気になっているのが
-
-
脳内出血後に自身の身体で変化した事は何か
私が脳内出血を起こして、医者は麻痺が残ったり動けなくなるかもしれないとして経過を見ていました。脳梗塞
-
-
何とかぎりぎりの崖っぷちを歩く感覚で一家四人で生活していました
病気の事もあり、自分の身体を優先し生活することにしました。と言うのは誰かに文句を言われていると思いこ
-
-
脳血管障害と認知症について(アルツハイマー型認知症)
脳血管障害は、脳の血管が詰まり出血が発症する病気をいいます。 そして脳血管障害を発症すると、脳
-
-
退院後、3ヵ月目のMRIの結果
4月25日、済生会病院で脳動脈瘤のMRIの検査結果がわかりました。 診察室に入る前、どうしても
-
-
脳血管障害と緑茶&コーヒーについて
脳内出血を発症した私は、普段からブラックコーヒーを1日3~4杯飲むようにしています。 そして今
-
-
脳内出血とうつ病と自殺について
私自身、脳内出血になって手足が動かないことを知った瞬間、ある想いだけがずっと脳裏をよぎっていました。
-
-
脳血管障害や心筋梗塞に必要な水分補給
夏になると脳血管障害や心筋梗塞が発症しやすくなると言われています。 その原因の1つに「体内の水
-
-
脳の病気~髄膜炎菌感染症~
「頭が痛い」…誰でも一度は経験したことがあると思います。 そしてすぐに治る頭痛は良いのですが、
- PREV
- 脳梗塞によって発症する言語障害について
- NEXT
- 秋も気を付けなければいけない脳血管障害