脳卒中による麻痺に対して新たな取り組み~HANDS療法~
公開日:
:
未分類
脳卒中を発症してひとたび後遺症(片麻痺)が起きてしまうと、その麻痺は一生治ることはありません(現段階では)。
しかし今、脳卒中によって発症した後遺症(片麻痺)に対して新たな取り組み~「麻痺した指を自意識で動かそうとする」療法が行なわれているのです。
その取り組みを「HANDS療法」といいます。
脳卒中によって片麻痺を発症した場合、リハビリテーションの一環として自分で指を動かそうとする訓練をします。
しかし指を動かそうとすればするほど、逆に指の筋肉が収縮してしまいます(握ってしまう状態=グー)。
(指を動かそうとした瞬間、脳からの電気刺激が筋肉に伝わるのですが収縮してしまう。)
実は、HANDS療法とはこの電気刺激を応用した療法なのです。
つまり筋肉を収縮させるのではなく、電気刺激を利用して指の動きに補助を加えるのです。
HANDS療法の装具を取り付ければ、麻痺側の筋緊張を弱めるだけでなく指を動きやすくします。
そしてHANDS療法は1日8時間、麻痺した手を実際の生活に則した動作をすることで効果を上げることができます。
またHANDS療法は、個々の麻痺の状態に合わせてプログラムを作成しなければなりません。
(リハビリテーション専門医と作業療法士)
ここで、HANDS療法の治療対象になる患者さんについて触れておきます。
○脳卒中による片麻痺を発症した患者さん。
○発症から5ヶ月以上経過し(回復期のリハビリテーション)、在宅生活をしている患者さん。
○1人で歩行ができる患者さん(装具を使用しても問題なし)。
○日常の基本的動作に対して自立している患者さん。
○感覚障害を発症していない患者さん。
(失語症などの言語障害があっても問題ありませんが、理解(能力)が難しい患者さんはお断りしています。)
今後、HANDS療法の効果がどのように推移していくかわかりませんが、HANDS療法が画期的な療法であるのは間違いのない事実です。
関連記事
-
家族が脳血管障害を発症したら…
もし家族が脳血管障害を発症したら…正直、ゾッとします。 何故なら、自分と同じような人生を送ることに
-
脳に関する不思議な雑学
身体の中でもっとも重要なパーツといえば「脳」だと思います。 その脳はまだまだ解明されていないこ
-
脳梗塞が起こりやすい季節
年間を通じて、脳血管障害の患者は約137万人いるといわれています。 そして、脳梗塞の患者は約80万
-
失語症の恐怖は、障害者だけでなく家族にも襲い掛かる
私は脳血管障害の後遺症の中で、もっとも辛いと感じる障害は「失語症」ではないかと思っています。 ○失
-
HP作成~そして現実を直視~
ライティング業務を応募する際、必ずといっていいほどこういう文言が書かれています。 「○○文字程度な
-
脳血管障害の最新治療法~rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法~
脳血管障害治療は、凄い加速で発展していると思います。 そして私自身が脳血管障害で倒れた時、最新治療
-
脳血管障害が再発しないための薬について
脳血管障害を発症してしまうと、再発しないようにするためさまざまな薬剤を飲むことになります。 そして
-
脳血管障害の後遺症について
脳梗塞や脳内出血といった脳血管障害を発症してしまうと、さまざまな後遺症に苦しめられることになります。
-
二度となりたくない隠れ脳梗塞
みなさんは「隠れ脳梗塞」という症状をご存知でしょうか。 例えば血栓(=血の塊)が脳内血管で詰まると
- PREV
- 脳血管障害を発症した芸能人
- NEXT
- 脳血管障害が再発しないための薬について